日本食と日本人
ユネスコの世界無形遺産に登録されている日本食(和食)は、世界的にも味や見た目、芸術性などの「食」として認められていますが、それ以上に注目されているのは健康的であるということです。
日本は世界でも長寿の国であり、生きるために最も重要な食、日本食はそのような意味でも注目されています。
では日本食を食べていれば日本人のように長寿になるかというと、そうではありません。
この地球上には民族という違いがあります。
文明が栄える以前より、その風土に合わせ人々は生きてきました。
また文明ができてからも、長い歴史を積み重ね、その土地に根ざした生活を何代もに渡り歩んできています。
格闘技の世界では狩猟民族と農耕民族では、筋肉のつき方から闘争心まで違いがあり、農耕民族は不利だといわれてきました。
それほどまでに狩猟民族と農耕民族には差があるのです。
身体的な違いは見た目では分かり難いのですが、医学的には大きく違う点があります。
それは腸の長さです。
狩猟民族は肉中心の食生活ですので腸の長さは短く、農耕民族は野菜中心ですので腸は長くなっています。
これは肉食動物と草食動物も同様で、食文化に合わせた当然の結果だといえます。
人類の誕生はアフリカだといわれていますので、起源を同じとした生物の環境に合わせた進化となります。
日本食は日本人の食生活に馴染んでいるもので、当然その腸にも合っているものです。
確かに健康的な要素が多いものですが、他民族のかたが食するより日本人が食したほうがより良い結果がでるものです。
地域と時代
そう考えると、逆に洋食や中華は日本人の体にはあまり合いません。
戦後肉食文化が広がっており体格は良くなっていますが肥満による成人病なども広がっています。
これはお互いに毒というわけではなく、過ぎた食生活を行うとそうなるおそれがあるということです。
また日本食といえど地方により差があります。
例えば日本でも長寿が多いといわれる沖縄ですが、基本は豚肉中心の脂が多い食生活です。
日本食とは程遠いように思えますが、高温多湿の沖縄では脂を摂取しないと、バテてしまい力がでないどころか体力を消耗してしまいます。
住んでいる地方によって、健康的な食事というのは変化するのです。
そんな中、沖縄料理は健康的な食事の一例として挙げられていて、こんなことも書かれています。
現代の沖縄では、本土と同じように食生活も多様化していって沖縄料理の出番は少なくなっているようです。それでも健康長寿の源としてその薬食同源の智恵が語り継がれてきた健康的な沖縄料理は、日本はもとより世界からも注目を集めています。